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5.終わりに
 お世辞にも裕福とはいえない国、トンガ。主要産業は1位:農業、2位:観光業、3位:漁業となっています。最近になって太平洋州の人々のオアシスとして観光業も盛んになってきましたが、まだまだカボチャ輸出がトンガの経済を支えているのが現状です。しかしそのカボチャ輸出も年々減少しています。今後カボチャに変わる商品作物が出てこない限り、トンガの経済は厳しくなっていくでしょう。国を支えるはずの若者も農家になりたいとは思わず、ニュージーランドなどの外国に移住してしまう傾向が見られます。トンガ国内に生活している人の大半も、国外にいる家族からの送金で支えられています。
 調査をすればするほど、日本のカボチャ輸入が一国の運命を握っているという事実が明るみになってきました。私たちがカボチャを食べるか食べないかで、遠く離れた国に住む人の生活を左右しているといっても過言ではありません。そのようなグローバル化社会に生まれた私たちは、今後も世界と密接につながった生活の中で生きていくことでしょう。そのときに大切なことは、日本がどういう立場でどのように影響を及ぼしているのかを意識することだと思います。自分は無関係と顔をそむけるのではなく、当事者の一人として一歩踏み込んで物事を見てほしいのです。この報告書がその一歩を踏み出すきっかけになってくれれば嬉しいです。
 
 

 

 

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